金額で承認者を振り分ける(10万円の境界を確認)
手動入力した金額が10万円以上なら責任者、未満なら直属上司へ承認を依頼します。99,999円・100,000円・100,001円の境界テストと、承認・却下の結果を具体例で確認します。
画面上の名前は、表示言語やバージョンによって異なる場合があります。クラウドフローはトリガー(フローを開始する条件)から始まり、その後にアクションを実行します。値の受け渡しには、前のステップの出力を選ぶ「動的コンテンツ」を使います。式は[式]欄へ入力します。
実行前に確認
- Power Automateを利用できる組織アカウント、対象環境でのフロー作成権限とApprovalsへの接続が必要です。Standard approvalsは標準コネクタですが、Microsoft 365等の契約に含まれる利用権と組織のDLPポリシーを確認してください。初回利用時に環境の準備で止まる場合は管理者へ相談し、権限を自己判断で広げないでください。
- 本記事は0以上の整数を必ず入力する練習です。負数・空欄・小数を自動で拒否する検証は含みません。外部フォームや本番申請に広げる前に入力検証を追加します。
- 承認の結果ApproveとRejectは大文字・小文字を区別します。この例は標準の承認/拒否方式です。独自回答に変更した場合は、その回答値に合わせて条件も変えます。
- クラウドフローの1回の実行には承認待ちを含め30日の上限があります。これを業務の承認期限として放置せず、未回答時の通知・終了方法を別途決めてください。
- 実際の承認テストは自分宛てに限定し、他の担当者への依頼は合意を得てからにします。同じ金額の再実行でも別の承認依頼が作られるため、重複防止は別途必要です。
1使うトリガーとアクション
- トリガー手動でフローをトリガーする数値入力「金額」:円単位・0以上の整数を使用
- アクション変数を初期化するApprover/文字列/空で開始。条件の外側
- アクション条件金額が100000以上か
- アクション変数の設定はい:責任者のメールアドレス
- アクション変数の設定いいえ:直属上司のメールアドレス
- アクション承認の開始と待機分岐の外に1個。割り当て先=Approver
- アクション条件承認の結果(Outcome)=Approve
- アクション作成はい:承認済み。いいえ:却下
図で見る処理のイメージ
概念図金額の振り分けと、人が返す承認結果は別々の判定です。
入力例
A=99,999円/B=100,000円/C=100,001円
金額の判定
100000以上:Aはいいえ、B・Cははい
承認先
Aは直属上司、B・Cは責任者。テストでは全て自分宛て
人の回答
Approveなら「承認済み」、Rejectなら「却下」を作成
100000円ちょうども責任者側です。金額が大きいことと承認されることは別で、責任者に回ってもRejectなら却下になります。
架空の入力で分岐を説明する概念図です。実際のフローを実行して確認した結果ではありません。
設定と処理を説明する模式図です。実際の設定画面や実行結果のスクリーンショットではありません。
2実際の設定内容
入力する値・操作手順を確認する10ステップの設定と確認方法
- 1
準備:テスト用のインスタントクラウドフローを作ります。この練習では税込・円単位・0以上の整数に統一し、境界は100000円とします。これは説明用の規則です。本番では社内の決裁規程に合わせて金額・税の扱い・承認者を決めます。
- 2
「手動でフローをトリガーする」で入力を追加し、種類を数値、名前を「金額」にします。テスト時は99999のように数字のみを入力し、円記号・カンマ・「円」は付けません。文字列入力を数値比較へそのまま渡す例ではありません。
- 3
トリガーの直後で「変数を初期化する」を追加し、名前Approver、型文字列、初期値は空にします。初期化は条件の外側に置きます。条件の中では初期化ではなく「変数の設定」を使います。
- 4
条件の左側は手動トリガーの動的コンテンツ「金額」、演算子は「次の値以上」、右側は数値100000です。「より大きい」だと100000円ちょうどが別の側へ進むため、演算子も確認します。
- 5
はい側の「変数の設定」はApproverに責任者のメールアドレスを設定。いいえ側ではApproverに直属上司のメールアドレスを設定します。最初の送信なし練習ではメールの代わりにそれぞれ「責任者ルート」「直属上司ルート」という文字列を入れます。
- 6
まず送信せず分岐だけ確認:まだ承認アクションやメール送信を追加せず、条件の外側の「作成」に式 variables('Approver') を設定します。99999、100000、100001で1回ずつ実行し、実行履歴の作成の出力が順に「直属上司ルート」「責任者ルート」「責任者ルート」になるか確認します。これは宛先の振り分けだけのテストです。
- 7
次に承認の練習:両側のApproverを自分の確認済み組織メールアドレスへ変更します。テスト用のルート名を残したまま承認へ渡さないでください。分岐の外側に「承認の開始と待機」を1個追加し、種類は「承認/拒否-最初に応答」、割り当て先は変数Approver、タイトルは「テスト・購入申請」、詳細には金額の動的コンテンツを入れます。この段階から実際の承認依頼が作成されます。
- 8
承認の直後に条件を追加し、左側にこの承認の「結果(Outcome)」、比較に「次の値に等しい」、右側に文字列Approveを指定します。個々の回答の配列ではなく、承認全体の結果を選びます。はい側のデータ操作「作成」に「承認済み」、いいえ側の「作成」に「却下」を入力します。購入・支払いや外部への送信処理は追加しません。
- 9
100000円でテスト依頼を作って自分で承認し、結果がApprove、作成の出力が「承認済み」となるか確認します。別の実行では拒否を選び、Rejectと「却下」を確認します。承認待ちの間は後続処理へ進みません。未回答を却下とみなしたり、フローの実行成功だけで承認済みと判断したりしないでください。
- 10
つまずいたら:Approverが空なら両方の分岐の変数名と設定値を確認。100000円が上司側なら比較演算子を確認。承認しても却下側ならOutcomeの参照元とApproveの大文字・小文字を確認します。承認の失敗やタイムアウトはRejectとは別です。通常の成功後の条件はスキップされるため、別のエラー処理が必要です。
- 対象環境
- Power Automate クラウドフロー
- 更新日
- 2026年10月2日